こんにちは、『アウトドア依存症注意報』管理人の「みらはつ」です。
昨年、紹介したファイヤーメイプルのヒートエクスチェンジャークッカー FMC-XK6は、爆速でお湯が沸かせるクッカーとして、キャンプでも登山でも大活躍してくれています。
けど、1人で山に行くのに、1Lもいらないんで、もう少し容量の小さい、コンパクトなヒートエクスチェンジャークッカーはないかな~?、と思っていたところ、ファイヤーメイプルさんから、ドンピシャの、ソロ用のPetrel Ultralight Pot 600ml(ペトレル ウルトラライトポット 600ml)が発売されましたので、迷わず購入しました。
Petrel Ultralight Pot 600mlは、FMC-XK6同様のヒートエクスチェンジャーを搭載していながら、FMC-XK6よりコンパクトに、さらに軽量になり、もちろん湯沸かし爆速の血をしっかり受け継がれています!
こちらの記事ではFIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600mlの
- スペック
- FMC-XK6との比較
- 湯沸かし、どのぐらい速い?
- いいところ、いまいちなところ
を紹介します。
- 『FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600ml』は、お一人様向けの、ヒートエクスチェンジャークッカー
- 『FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600ml』のスペック
- 折りたたみ式ハンドル
- OD缶とバーナーをスタッキング スタッキングした重量
- あの『ジェットボイル』よりコンパクトで軽量
- FMC-XK6とPetrel Ultralight Pot 600ml比較
- Petrel Ultralight Potは、湯沸かしはどのぐらい速い? FMC-XK6と湯沸かし競争
- FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600mlの「いいところ」・「いまいちなところ」
- Petrel(ペトレル)って何?
- まとめ
『FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600ml』は、お一人様向けの、ヒートエクスチェンジャークッカー
お湯が速く沸かせる秘密、「ヒートエクスチェンジャー」って何?、という方のために、簡単に説明すると、鍋底に搭載されたヒダヒダのジャバラ状の装置のこと。
ジェットボイル社が開発したもので、このジャバラが吸熱フィンとなり、効率的に熱を伝えてくれることで、ジェットボイルと同様の圧倒的な湯沸かしの速さを実現してくれます。
これまで、このヒートエクスチェンジャーを搭載したクッカーは、他のメーカーでも主に1L以上が主流でしたが、今回のPetrel Ultralight Pot (ペトレル ウルトラライトポット)は湯沸かし容量MAX600mlの、完全にソロ向けのヒートエクスチェンジャークッカーになります。
直噴型バーナーでお湯を沸かすと、ジェットボイルと同等速さでお湯が沸かせます。
『FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600ml』の公式ページはこちら(日本のファイヤーメイプル公式ページには掲載がなく、アメリカのページに掲載されており、英語表記なので、Google翻訳で日本語に翻訳しています。)
『FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600ml』のスペック
サイズ・重量・素材
サイズは、ハンドルを折りたたんだ状態で、縦149×横102mm
ハンドルを伸ばした状態で、149×102×223mm
鍋の内径は内径98mm 深さ113mm、になります。
鍋本体の素材はアルミニウムで、フタはカチッとしたプラスチック製にシリコンの取っ手がついています。
フタには湯切り穴も開いていますので、湯切りもOK。
鍋本体だけの重量は134g、フタが28g、本体とフタで合計162gになり、アルミのソロクッカーとしてはまずまずの重量かと。
鍋底の溝
ヒートエクスチェンジャーのヒダヒダがある鍋底には3本の「溝」が設けられています。
この溝は、“Fire-Mapleの海外向けのこんろと組み合わせることを想定して設けられている”ということで、Fire-Mapleの専用のこんろ(バーナー)以外で使う場合は、溝にバーナーの五徳をはめずに使うようにします。
専用のこんろ(バーナー)以外で、五徳を溝にはめて使うと、熱効率の低下と一酸化炭素の発生量の増加になるそうです。
ボクが使っているSOTOのウィンドマスターは3本五徳なので、ぴったりはまりますが、溝にはめずに乗せて使っています。
溝に五徳をはめて使用すると、バーナーと鍋底の距離が近くなりますが、火は上に行くほど温度が高くなるので、溝にははめずに使う方が熱効率が高いと考えられます。
けど、強風の環境で使う時には、風防の効果にもなるので、五徳を溝にはめて使うのもありかな?と考えています。
この溝があるため、4本以上の五徳のバーナーだと、五徳が溝にはまって使いにくいので、推奨できません。
ボクはこれまで、SOTO ウィンドマスターでは別売りの4本五徳を使っていましたが、ペトレルをつかうために、標準の3本五徳に変えました。
目盛り・付属品
鍋の内側には「リッター表記」で0.3・0.4・0.5・0.6L(Max Fill)表記と「オンス表記」で目盛りが刻印されているので、必要な分だけ湯沸かしできます。
付属品には、「FIRE MAPLE」タグが付いた、メッシュの巾着袋が付いており、持ち運びに便利です。
折りたたみ式ハンドル
ハンドルは折りたたみ式で、伸ばした状態と、フタの上に折りたたんだ状態でロックがかかるようになっています。
ハンドルをつまむと、ロックが解除されるので、そのまま180度回すと、ハンドルが伸びた状態でまたロックがかかります。
フタの上に折りたたんだ状態でもロックがかかるので、スタッキングしても、勝手にフタが開くようなことはありません。
OD缶とバーナーをスタッキング スタッキングした重量
Petrel Ultralight Pot 600mlはコンパクトなクッカーですが、110サイズのOD缶がすっぽり収まります。
110サイズOD缶を入れても、まだ余裕がありますので、コンパクトなバーナーならOD缶の上に収納しフタも閉まるので、OD缶とバーナーをまとめてスタッキングできます。
ボクは、OD缶がクッカー内でカタカタ鳴るのを抑えるのと、クッカーの保護のため、OD缶はそのまま入れるのではなく、ハンカチで包んでクッカーに入れています。
ハンカチはお湯を沸かしたあと、クッカーを拭くのにも使えます。
OD缶をハンカチで包んで入れても、SOTO ウィンドマスターも五徳もきっちり納まります。
Petrel Ultralight Pot 600mlとSOTO ウィンドマスター(3本五徳込み・OD缶除く)だけだと230g、満タンの110サイズOD缶と、SOTOウィンドマスターを合わせて合計422gです。
OD缶 転倒防止のスタビライザーも一緒に全てメッシュ収納袋に入れた状態で、472gです。
あの『ジェットボイル』よりコンパクトで軽量
元祖ヒートエクスチェンジャークッカーのジェットボイルの中で、点火装置の付いていない一番シンプルな「スタッシュ」がOD缶を除いて200g、0.8Lと一番容量の小さいジェットボイル 「マイクロモ」と「ジップ」が、OD缶と付属スタビライザーとゴトクを除いて340gです。
Petrel Ultralight Pot 600mlだと、クッカーとウィンドマスターと五徳で230gですので、「スタッシュ」には負けますが、ジェットボイル 「マイクロモ」「ジップ」より110gも軽量です。
またジェットボイル 「スタッシュ」のサイズが∅13cm×高さ11.2cm、「マイクロモ」と「ジップ」のサイズがφ10.4cm×高さ16.5cmに対して、Petrel Ultralight Pot 600mlは収納サイズが10.2×10.6×高さ14.9cmですので、体積で計算すると、Petrel が一番コンパクトになります。
FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600ml | ジェットボイル スタッシュ | ジェットボイル マイクロモ・ジップ | |
重量 | 230g(クッカーとバーナー ウィンドマスターで OD缶除く) | 200g(スタビライザー、OD缶除く) | 340g(付属スタビライザー、ゴトク、OD缶除く) |
サイズ | 10.2×10.6×高さ14.9cm | ∅13cm×高さ11.2cm | φ10.4cm×高さ16.5cm |
体積 | 1265㎤ | 1485㎤ | 1400㎤ |
Petrel Ultralight Pot 600mlは、軽量でコンパクトなジェットボイルより、さらに軽量・コンパクトですので、ソロ登山の頼もしい味方になってくれます。
FMC-XK6とPetrel Ultralight Pot 600ml比較
同じファイヤーメイプルのヒートエクスチェンジャークッカー FMC-XK6とPetrel Ultralight Pot 600mlを比較してみます。
高さはほぼ変わりませんが、やはり容量の大きいFMC-XK6の方が直径が大きいので、ずんぐりしています。
下は公式HPの数値を比べてみた比較表になります。
FMC-XK6 | Petrel Ultralight Pot 600ml | |
容量 | 1.0L | 0.6L |
重量 | 190g | 161.6g |
サイズ | Ø 115×135mm | 102×106×149mm |
Amazon価格 | 2,970円 | 3,960円 |
URL | https://fire-maple.jp/archives/product/fmc-xk6 | https://firemaplegear-com.translate.goog/products/petrel-ultralight-pot-600ml?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc |
数値では、高さがPetrelの方が14mm高くなっていますが、クッカー本体の高さほぼ同じで、フタの「つまみ」の分で数値が大きくなっています。
フタ込みでの重量は実測してみると、FMC-XK6は公式の数字より軽く181g、Petrel Ultralight Pot 600mlは162gでした。
お値段はなぜか容量の大きいFMC-XK6の方が、以前から販売されているからか、1,000円近く安くなっています。
どっちを購入しようか迷っているなら、ソロで登山やキャンプに行くならPetrel Ultralight Pot 600ml、複数人での登山やキャンプに行く機会が多いならFMC-XK6、をおすすめします。
Petrel Ultralight Potは、湯沸かしはどのぐらい速い? FMC-XK6と湯沸かし競争
Petrel Ultralight Pot 600mlの湯沸かし能力はどのぐらい速いのでしょうか。
ボクはジェットボイルは持っていないので、同じファイヤーメイプルのFMC-XK6と比べてみました。
カップヌードル1杯分、300mlが沸騰するまでの時間を計測しました。
やっぱりFMC-XK6の方が大きく、鍋底の面の面積も広いので有利か?と予想されます。
またPetrelの底の溝に五徳をはめた状態と、溝に五徳をはめない状態だと、どっちがお湯が沸くのが速いかも、気になったので試してみました。
試したのは、3月の午後のわが家のベランダで、気温は13℃です。
結果は、FMC-XK6が1分03秒84と最速でした。
また、Petrel Ultralight Potでは、五徳を溝にINした状態と、五徳を溝にはめない状態ですと、やっぱりバーナーとクッカーの底面を少し離した溝にはめない方が速く、1分07秒57、溝にINが1分11秒40という結果となりました。
FMC-XK6 | Petrel 五徳を溝にIN | Petrel 五徳を溝にOUT | |
湯沸かし時間 | 1:03.84 | 1:11.40 | 1:07.57 |
結果はどれも1分ちょいなので、いずれも十分すぎるぐらい速く、やっぱりヒートエクスチェンジャーの湯沸かし力は圧倒的でした。
FIREMAPLE Petrel Ultralight Pot 600mlの「いいところ」・「いまいちなところ」
Petrel Ultralight Pot 600mlをしばらく使ってみて感じた「いいところ(メリット)」は
- 軽くてコンパクト
- バーナー・OD缶をスッキリ収納スタッキング可能
- もちろん湯分かしは爆速
と、そのコンパクトさと湯沸かしの速さです。
また使ってみて「いまいちなところ(デメリット)」は、
- 一酸化炭素が発生しやすい
- 底に溝があるので、バーナーを選ぶ
- お値段はFMC-XK6より高い
- 沸騰後、フタが開かないことがある
があげられます。
一酸化炭素が発生しやすいは、ヒートエクスチェンジャークッカー全般に言えることで、『爆速の湯沸かし』と引き換えに、一酸化炭素が発生しやすいという、弱点があります。
説明書きにも明記されていますし、バーナーのメーカーも一酸化炭素が発生しやすいので使用を禁止、と明記していますので、ヒートエクスチェンジャーの宿命ともいえるデメリットになります。
なので、テントや車内といった閉じられた空間での使用は、絶対にしないようにしてください!
使用するバーナーは、底面の溝があるので、五徳の本数によっては、使いにくいことがあります。
ボクのSOTO ウィンドマスターは3本五徳なので、問題なく使えますが、五徳が溝にはまると、クッカーが傾いてしまうので、バーナーに乗せる時は五徳が溝とかみ合わない位置を確認してバーナーに乗せる必要があります
正直「こんな溝、付けんかったらええのに…」と、思ってしまいます。
沸騰後、フタが開かなかったは、初めて山でお湯を沸かすのに使ったとき、お湯が沸いてラーメンにお湯を入れようとしたら、フタが開きませんでした。
えっ?となりましたが、これがけっこう固く、タオルでフタをつかんで何とか開けることができました。
すぐに、Fire-Mapleの日本代理店さんに問い合わせたところ、
“製品を垂直に切った断面で見て、蓋のL字の部分と鍋上端のRで形成される空間に蒸発後に凝縮した水分が溜まり、いずれの縁も水でシールされてしまい、鍋蓋を開ける際に圧力により蓋が開かなくなっていると考えられる”
と返事をいただきました。フタと鍋の間に、ほとんどすき間がなく、わずかにあるすき間に沸騰による蒸気で水分がたまってシールの役目となって、フタと鍋が開かなくなった、ということの様です。
また回答と同時に、何点かの解決案もいただきましたので紹介します。
1. 蓋を開ける前に縁の水を拭き取る
2. ナイフや針などを蓋と鍋の間に差し込み、水のシールを破る
3. 鍋の上端に僅かな凹みをあらかじめつける
4. 蓋の下側の円柱状部分に1箇所スリットを入れる
解決案の中から、4の『蓋の下側の円柱状部分に1箇所スリットを入れる』方法を試し、フタに切込み加工を行いました。
念を入れて2ヵ所スリット加工を行いました。
これにより、フタと鍋のすき間に密着しない箇所ができることで、水の膜にも切れ目ができ、改善されました。
Petrel(ペトレル)って何?
最後に、今回のPetrel Ultralight Potの『Petrel(ペトレル)』って何なのか、ずっと気になっていたんで、翻訳してみると、『ミズナギドリ(その中でも「ウミツバメ」を意味することが多い)』ということでした。
確かに鳥の横顔に似ている気がしてきた!
まとめ
Fire-Maple Petrel Ultralight Pot 600mlは、軽量でコンパクトな、湯沸かし爆速のソロ向きクッカーです。
110サイズOD缶もすっぽり収まるので、バーナーも一緒にスタッキングすることができます。
300mlのお湯を、1分ちょっとで沸かしてくれます。
一人で登山やキャンプに持って行くならPetrel Ultralight Pot 600mlは頼もしい相棒になってくれます。
また複数人で登山やキャンプに持って行くなら、容量1Lの兄貴分、FMC-XK6がおすすめです。
ヒートエクスチェンジャークッカーは、一酸化炭素の発生しやすい特徴があるので、密閉された空間では使わないようにしましょう。
危険な一面もありますが、ちゃんと理解して正しく使うと、爆速の湯沸かしを手に入れることができます。
ありがとうございました。
コメント