こんにちは、『アウトドア 依存症注意報』管理人の「みらはつ」です。
冬のキャンプの暖房器具に、イワタニのカセットガスストーブ『デカ暖』シリーズを愛用してきましたが、2023年10月、新型のカセットガスストーブ『マル暖』発売され、気になって気になってしょうがないので、購入しました。
室内だけでなく屋外でも使用できて、天板でお湯が沸かせるって、まるでキャンパーのためのストーブです。
こちらでは、
- マル暖の紹介
- マル暖でお湯がどれぐらいで沸かせるか
- キャンプで使ってみたレビュー
- 効率のいいマル暖の使い方
を紹介します。
マル暖の購入検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
カセットガスストーブって?
カセットガスストーブは、お鍋をするときに使うカセットコンロ、その燃料になるカセットガス(カセットボンベ)を使用して暖を取るストーブです。
使い方はカセットコンロとほぼ同じなので使い方が簡単で、電源も電池も不要で使うことができるので、非常にお手軽なストーブです。
また灯油ストーブのように臭いが気になったり、手を汚すこともなく、ストーブ本体もコンパクトなので持ち運びが楽で、燃料になるカセットボンベの調達も容易なので、キャンプでも活躍してくれますし、災害時の備えにもなります。
ただ火力では灯油ストーブと比べると負けてしまいます。
カセットガスストーブは何種類か販売されていますが、今回紹介するのマル暖のイワタニは長年カセットガス製品を製造してきた日本メーカーで、販売されている商品は、安全装置もしっかりしていて、安心して使うことができます。
イワタニ カセットガスストーブ 『マル暖』
イワタニの新型カセットストーブ『マル暖』を見ていきましょう。
日本初の、屋内外兼用で、お湯が沸かせるカセットガスストーブ
カセットガスストーブでは「デカ暖」「マイ暖」「風暖」などヒット作を販売しているイワタニから新たに発売された『マル暖』は日本ガス機器検査協会の定める
「カートリッジガスこんろ適合性検査規程」、
「組込型ストーブ検査規程」、
「カートリッジガスストーブの屋内屋外兼用の検査基準」
のすべてに準拠する日本初の商品です。
正直、検査の詳しいことはよくわかりませんが、この検査基準を通ってるから屋内外兼用できる、ということなのでしょう。
それよりもボクはお湯が沸かせる、ここに心くすぐられました。
昨年レビュー記事を書いた「デカ暖Ⅱ」でもお湯は沸かせることは沸かせましたが、なんせ説明書にも禁止事項と明記されていますから、自己責任という後ろめたい気持ちがありました。
ボクはデカ暖、デカ暖Ⅱと使ってきてカセットガスストーブの便利さは分かっていましたが、【マル暖】はさらにパワフルになり、メーカー様がお湯が沸かせる!と言い切ってくれていているので、キャンパーとして待ち望んできたストーブに、「イワタニさんついにやってくれたな」って感じです。
カセットガスストーブ“マル暖”スペック デカ暖Ⅱと比較
【マル暖】のスペックを見ていきます。
比較のためにイワタニのカセットガスストーブ「デカ暖Ⅱ」のスペックとならべて比べてみていきましょう。
マル暖 | デカ暖Ⅱ | |
商品コード | CB-STV-MRD | CB-STV-DKD2 |
最大発熱量 | 約2.09kW(約1,800kcal/h相当) | 1.35kW(1,150kcal/h) |
暖房のめやす | 木造戸建住宅:5畳まで コンクリ―ト集合住宅:7畳まで | 木造戸建住宅:4畳まで コンクリ―ト集合住宅:5畳まで |
暖房方式 | 対流式 | 輻射式 |
連続燃焼時間 | 約1時間40分 | 約2時間30分 |
本体サイズ | 幅343×奥行368×高さ382mm | 幅361×奥行311×高さ364mm |
商品重量 | 約4.5kg(カセットガス含まず) | 約4.3kg(カセットガス含まず) |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置 立消え安全装置 転倒時消火装置 圧力感知安全装置 | 不完全燃焼防止装置 立消え安全装置 転倒時消火装置 圧力感知安全装置 |
使用燃料 | イワタニカセットガス イワタニカセットガスパワーゴールド | イワタニカセットガス |
生産国 | ベトナム | ベトナム |
メーカー希望小売価格 | 49,800円 | 32,800円 |
Amazon実売価格 | 17,898円(2024/02/02調べ) | 16,800円(2024/02/02調べ) |
発熱量2.09kW めやすは最大7畳の対流式
屋内での暖房めやすは木造住宅で5畳、コンクリート住宅で7畳の2.09kWと、コンパクトなボディながら、発売されているカセットガスストーブの中では最も火力がありパワフルで、小さめの部屋ならマル暖だけで暖めることができます。
デカ暖Ⅱの発熱量が1.35kWなので約1.5倍の発熱量です。
マル暖の暖房方式は対流式で、熱はほぼ上方向にのみ発熱し、部屋の中で熱を対流させて部屋を暖めるタイプのストーブのため、ストーブ側面はそれほど熱くなりません。
一方、デカ暖Ⅱは輻射式なので、熱が上方向と前面に発熱し、ストーブの前にも暖かさがきます。
けど、ストーブの上で手をかざしてみると、マル暖のほうが発熱量が高いので、ストーブの上面ではマル暖の方が暖かさは上です。
マル暖のサイズ、重量は?
マル暖のサイズは幅343×奥行368×高さ382mmあります。
高さは大人のヒザぐらいの高さです。
デカ暖Ⅱが幅361×奥行311×高さ364mmあり、マル暖とならべてみると、高さと幅はほぼ同じぐらいです。
マル暖は上方が細くなった造りなので、スマートに感じます。
横から見ると、マル暖は円筒形の作りなので、幅と奥行きがほぼ同じのため、デカ暖Ⅱの方が薄いです。
重量はカセットガスを含まないでマル暖が4.5kg、デカ暖Ⅱが4.3kg、持ってみるとほぼ同じぐらいです。
どちらもハンドルが付いているので、片手で持ち運びができます。
マル暖・デカ暖Ⅱは見た目が全然違いますが、好みはマル暖の方が昔ながらのザ・ストーブという見た目で、個人的にはこっちの方が好きです。
マル暖の使用燃料は?
マル暖の使用燃料はイワタニの「カセットガス」か、「カセットガスパワーゴールド」です。
「カセットガス」と「カセットガスパワーゴールド」の違いはガスの成分『イソブタン』の配合量の違いです。
イソブタンは気化率が良いので、イソブタンの割合が多いパワーゴールドだと低温下での使用が可能になります。
通常のカセットガスだと、10℃を下回ってくるとガスが気化しなくなってくるので、ストーブにセットしても火がつかない、なんてことも出てきますが、カセットガスパワーゴールドだと5℃ぐらいでもガスが気化するので、ちゃんと火が付きます。
ただパワーゴールドはその分、お値段は割高です。
それでもボクは冬のキャンプでは、普通のカセットガスだけでなく、パワーゴールドも何本かは持って行くようにしています。
カセットガス種類 | ブタン純度 | ブタン成分構成比 | メーカー希望小売価格 | 使用条件 |
イワタニカセットガス | 95%以上 | イソブタン:約30% ノルマルブタン:約70% | 350円(税抜き) | 外気温 約10℃以上での使用 |
イワタニカセットガス パワーゴールド | 95%以上 | イソブタン:約70% ノルマルブタン:約30% | 450円(税抜き) | 外気温 約5℃以上での使用 |
デカ暖Ⅱの対応使用燃料はイワタニの「カセットガス」のみで、パワーゴールドには対応していません。
けどキャンプでデカ暖Ⅱにパワーゴールドを使ってみたところ、普通に火がついて使えました。
ですが、パワーゴールドはイソブタンが高配合なので、ガス圧が対応していなんじゃないか?と思われますので、長年パワーガスを使っていくと故障につながるのかな?と考えます。
デカ暖でパワーガスを使う際は自己責任で、となります。
さて、マル暖・デカ暖Ⅱはイワタニ製以外のカセットガスも使えるのでしょうか?
結論、イワタニ製以外のカセットガスも使えます!
ただメーカーは推奨していないので、これも自己責任になり、おそらくイワタニ製以外のカセットガスを使用していて故障しても、補償対象外になるのではないでしょうか。
マル暖のと燃焼時間は?
満タンのカセットガス1本での燃焼時間はマル暖が約1時間40分、デカ暖Ⅱが約2時間30分と、やはりマル暖のほうが火力が強い分、燃焼時間は短いです。
今回12月に、1泊のキャンプにマル暖を持って行きましたが、夕方から就寝時間まで、翌日起きてから撤収までほぼ強火全開で使いましたが、カセットガス5~6本を使い切りました。
カセットガスストーブのデメリットの一つに、一度使い始めると、途中でガスの残量は外から見ただけでは分からない点があります。
ストーブを消して、カセットガスを抜いて、ガスを振ってシャカシャカしてみないと、残量がわからないので、めんどくさく、この点がデメリットに感じます。
キャンプなどで連続してガスを使い切るまで使い続けるときはいいですが、自宅の脱衣所でお風呂に入る時に暖房に使う時は、残量が少ないカセットガスを使うと、お風呂から上がった時、ガス切れて火が消えている・・・なんて悲しいこともあります。
こういう時、ガスを外さなくても外からぱっと見で、ガス残量が分かればなぁ、と思ってしまいます。
マル暖の安全装置は?
マル暖には安心の4つの安全装置が搭載されています。
- 不完全燃焼防止装置
- 立消え安全装置
- 転倒時消火装置
- 圧力感知安全装置
が備わっています。
●不完全燃焼防止装置
室内酸素濃度が低くなったとき、不完全燃焼をする前に、自動的にガスを遮断してヒーターを消火します。●立消え安全装置
ご使用中に風などによって火が消えたときに、自動的にガスを遮断してヒーターからガスが漏れ出ることを防ぎます。●転倒時消火装置
ヒーターが倒れたり、強い衝撃が加わったときに、自動的にガスを遮断してヒーターを消火します。●圧力感知安全装置
イワタニ マル暖HPより引用
カセットガスが過熱され容器内の圧力が異常上昇したときに、自動的にカセットガスが外れ、ガスの流れが止まり、ヒーターを消火します。
これはイワタニのカセットガスストーブシリーズでは全て踏襲して搭載されています、
昔使っていた中華製のカセットガスストーブなんかは安全装置があるのかないのかよく分かりませんでしたので、さすがは日本のイワタニと、安心して使うことができます。
マル暖の使い方は超簡単!
マル暖の仕組みはカセットコンロとほぼ同じなので、使い方は超簡単です。
カセットガスをセットして、「点火つまみ」を回すだけです。
カセットガスは本体下部側面の「容器(ボンベ)カバー」はずしてセットします。
「容器(ボンベ)カバー」はこの穴が開いているところで、カバーを開けるとこんな感じです。
ボンベを装着する「容器(ボンベ)受けガイド」に出っ張りがあるので、そこにカセットガスの切込み凹部を合わせて、押し込みます。
「容器(ボンベ)受けガイド」にはマグネットが仕込まれているので、ズレていなければカセットガスはパチッとはまります。
あとは「点火つまみ」をゆっくり左回りでON方向に回すだけで火が付きます。
点火つまみで火力も微調整できます。
またマル暖は、お手入れのため、火の出るバーナー周辺を掃除するとき、ビスを5カ所はずすと「天板」「メッシュガード」「燃焼筒」と分解することができます。
頻繁には行わなくてもいいでしょうが、数ヵ月に1回ぐらいは掃除してあげましょう。
お湯がどれぐらいで沸かせるか試してみた
500mlの水をどれぐらいでお湯に沸かせるか試してみました。
実験日の気温は約15℃、水温は約8℃でスタートしました。
5分経過で早くもふつふつと気泡ができてきて、48.1℃と快調に上がっていきます。
10分経過で湯気も上がってきて57.0℃、もうしっかりお湯です。
15分経過で75.3℃、沸騰までもうちょい。ぬるめでいいならここでもOKでしょう。
20分経過で90.3℃、コーヒーやお茶ならこれでも十分ですが、ここまで来たら沸騰まで目指します。
22分59秒、ここで99.6℃、ほぼ沸騰してます!
今回、温度計での計測のため、やかんの蓋を開けたり閉めたりを何度も繰り返したことで、一時的に湯温が下がってしまい、沸騰までの時間が余分にかかってしまったことが推測されますので、蓋をしっかり閉めっぱなしでお湯を沸かしたら、もう少し早かっただろうなぁと思われます。
またもっと低い気温だと、沸騰までの時間はさらにかかったと思われます。
けどデカ暖Ⅱで試したときと比べると、段違いに速く沸かせました。
けど、ちゃんとお湯が沸かせることが実証されましたが、やはり純粋にお湯だけを沸かすなら、バーナーの方が圧倒的に速い!
お湯を沸かすには、そこまで瞬発性はないので、「おでん」とかの煮込み料理にはちょうどいいかもしれません。
「ストーブファン」で効率よく暖かさを撹拌
マル暖は暖房方式が「対流式」で、熱が天板から上へ上へと上がるので、ストーブ横に座っても側面からの暖かさの恩恵をあまり受けられません。
自然対流で、部屋全体が暖まるのを待っていると、時間がかかってしまいます。
そんな時は「ストーブファン」を使うと、温風を横に流してファンヒーターのように温風を受けることができるので、めちゃくちゃ暖かいです。
また熱を効率よく撹拌できるので、素早く部屋を暖められます。
ストーブファンは熱を電気に変えてファンを回すので、電池も不要です。
使い方は簡単で、天板にのせるだけです。
あとはストーブの火をつけると、熱を受けて自然とファンが回り始めます。
マル暖では、ストーブファンを乗せて火をつけてから1分ほどでファンが回り始めました。
マル暖 + ストーブファンの組み合わせで効率よくマル暖の暖かさを満喫してはどうでしょうか?
マル暖をキャンプで使ってみた
2023年12月、冬のキャンプで「マル暖」を使ってみました。
本来は禁止されていますが、テント内で使用しました。(説明書にも、【テント内や車内・乗り物の中、トイレ・浴室など閉めきった狭い場所では絶対に使用しないでください】と明記されています。)
もちろん、一酸化炭素には十分気を付けて、一酸化炭素チェッカーは2台使用し、定期的に換気も行いました。
当日は冬にしてはそれほど気温も低くなく、外気温は11℃、テント内は12℃で、使いはじめましたが、ストーブファンも併用して、2時間後にはテント内は22.2℃まで上昇し、かなり快適でした。
テントで使う際は一酸化炭素チェッカーは必須です!
一酸化炭素は非常に怖ろしいので、できれば一酸化炭素チェッカーは2台使って監視した方がいいでしょう。
ただ、テント内での使用は禁止されていますので、試される際は自己責任でお願いします。
ボクは日本製センサーを搭載している、「LIBO ACTIVITY」の一酸化炭素チェッカーを使用しています。
今回は思ったほど気温も低くない中で使用しましたので、十分寒さをしのげました。
今度はもっと寒い時にもキャンプで試してみたいと思いますので、またレビューさせていただきます。
まとめ
カセットガスストーブは電池も電源も不要で、カセットガス1本で暖が取れ、容易に持ち運びができる便利な暖房器具です。
イワタニの新型カセットガスストーブ「マル暖」は、カセットガスストーブの中でもトップクラスの火力があり、天板でお湯も沸かせて、室内外兼用で使えるストーブです。
お湯を沸かすには20分ほどかかりますが、しっかり沸かすことができます。
イソブタン高配合のカセットガスパワーゴールドを使えば、かなり低い温度下でも使用できますので、キャンプでも活躍してくれるストーブです。
またストーブファンを使うことで、ファンヒーターのように温風を受けることができ、効率よく冷えた部屋を暖めてくれますので、おすすめです。
石油ストーブには火力では負けますが、燃料のカセットガスの入手のしやすさ・保存期間の長さ、持ち運びの容易さ、使い方の簡単さからキャンプや災害時対策におすすめのストーブです。
ありがとうございました。
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