こんにちは、『アウトドア依存症注意報』管理人の「みらはつ」です。
冬の登山でいちばん体にこたえるのが、**行動中ではなく「立ち止まった瞬間の冷え」**です。
歩いているときは暑いのに、休憩に入ると一気に体温を奪われる――そんな経験をした人は多いはず。
そこで活躍するのが、軽くてサッと羽織れるダウンジャケット。
今回紹介するのは、デカトロン(DECATHLON)の定番モデル
FORCLAZ「TREK100 ダウンジャケット」 です。
800フィルパワーの高品質ダウンを使用しながら、価格は1万円前後。
「安いダウンって実際どうなの?」と気になっている人も多いモデルですが、
結論から言うと、冬の低山では休憩用・保温用としては非常にバランスの取れた1着です。
この記事では、
- TREK100の特徴
- 実際に使う上で感じるメリット・デメリット
- どんな人に向いているか
を、登山目線で分かりやすく解説していきます。
冬山の「休憩中の寒さ」には、歩く服とは違う答えがある
冬の登山で寒さを感じるタイミングは、実はとてもはっきりしています。
それは、動いていない時間。
歩いている行動中は、体が熱を出しているので、寒くありません。
服を厚くしすぎると、今度は汗をかいてしまい、その汗が冷えると、余計につらくなります。
山で本当に寒いのは、動かず止まっているときです。
特にお昼の休憩にでベンチに腰を下ろし、しばらくすると「ゾクッ」感じるぐらい、一気に体温を持っていかれます。
だから大事なのは、
「歩く服」と「止まったときの服」を分けて考えること。
歩いているときは汗処理の優れたウェアで行動し、休憩に入ったら、サッと羽織れる一枚があるだけで、寒さに対して体のラクさは驚くほど変わります。
けど、山には荷物になるので、あまりかさ張る保温着は持って行けない。
その点、ダウンジャケットはぎゅっと圧縮すると驚くほどコンパクトにまとまり、ザックに入れてもかさばらず、なおかつ軽量なので、山の休憩用に持っていくのに、ダウンジャケットはちょうどいいんです。
けどダウンジャケットは休憩にはちょうどいいですが、行動中に着るのはNGです。
ダウンの暖かさの秘密は、ふんわりとした羽毛が大量の空気を抱え込み、断熱材となる“空気の層”を作って、体から出る熱を包み込んでくれるから。
汗を吸ってしまうと、羽毛はつぶれて、空気の層を作ることができなくなってしまいますので、もし行動中に保温着を着るなら、ダウン以外のアクティブインサレーションを着るようにしましょう。
なぜデカトロン ““TREK100””を選んだのか
ダウンジャケットって、登山メーカー、アウトドアメーカーに限らず本当にたくさんのメーカーから販売されていますよね。
値段もスペックもデザインも本当に様々ですが、本格的な山のダウンは高価になる傾向があります。
正直ボクの予算では、3万円以上する高価なダウンはちょっと手が出ません・・・
予算は20,000円ぐらいまでで、軽量でコンパクトに収納できて、高性能なアウトドアブランドのダウンで探すと、モンベルのスペリオダウンなら手が届きます。
さらに予算を抑えて、10,000円前後となると選択肢は一気に狭まります。
けどよーーーく調べると、モンベルよりさらに安価で、同等スペックのすごいダウンに出会いました。
そう、それがフランスのスポーツブランド デカトロンのダウンジャケット、TREK100です。
価格は10,000円ほどと、手に取りやすい価格なのに、登山での使用を前提に作られている。
しかもダウンの性能を表すフィルパワーは800と、モンベルのスペリオダウンやパタゴニアのダウン・セーターと同等の高品質です。
もちろん、コンパクトにパッカブルできて持ち運べるので、山用のダウンに選びました。


実際の冬の低山でTREK100を試した
実際にこの冬、12~2月の冬の低山で何度か試しましたが、薄手なのに思っていた以上に暖かく、低山なら十分使えるダウンだと分かりました。
TREK100 使用環境
試した山は関西の低山
・青山高原 (三重県 標高755m 12月)
・紀泉アルプス 俎石山 (大阪府 標高419m 1月)
・生駒山 (大阪府 標高641m 2月)
で、気温はおおむね0℃~8℃の環境、雪の残る山頂もありました。
いずれも、山頂近くでのお昼休憩で着用しました。
着用していたレイヤリングは
ベースレイヤー:ミレー ドライナミックメッシュ + ファイントラック メリノスピンサーモ ロングスリーブ
ミドルレイヤー:モンベル シャミース ジャケット
アウターレイヤー:モンベル ノマドパーカー
で山行しました。
休憩時は、アウターのノマドパーカーの上から、TREK100を着用。
実際に着て感じた「暖かさ」
お昼ご飯の休憩までは、山頂までしゃかりきに登りますので、休憩時にはそれなりに汗をかいていますが、体は温まっています。
けど動かなくなると、すぐに体は冷え始めるので、休憩に入ると決めたら、まずはサッとTREK100を取り出して羽織ります。

羽織った瞬間に、「おっあったかい」とすぐ感じられました。
一番寒かった0℃環境でも、まだいける、と十分思えるぐらい暖かかったです。
青山高原の山では、山頂は遮るものがないので、風が強かったですが、
TREK100着用で十分、風にも寒さにも耐えられました。
TREK100はダウンとしては薄手ですが、さすがは800フィルパワー!、
見た目以上に暖かく、低山なら十分使えるダウンでした。
軽さ・携行性はどうなの?
限られた荷物をザックに入れて持っていく、となると軽量性とパッキングは気になるところです。
ダウンの中には相当軽量なものもありますが、
TREK100はフード付きで290g、
もっと軽量なものもあるので、
ダウンジャケットとしては軽量の部類には入りますが、
特筆するほどの重量ではありません。
パッキングは、収納袋が無くても、左ポケットに収納することで、
コンパクトにまとめれます。
左ポケットの裏側に収納スペースがあり、
裏返してぐいぐい詰めていくと、
コンパクトに収納できます。
YouTubeに動画もありましたので、参照します。
この状態で約25×12~8cmに収めることができます。
ただこのパッカブルのやり方だと、ぐいぐい詰め込むので、
いつかポケットのファスナーが壊れるんじゃないか…
と心配になったので、別で“スタッフバッグ”(収納巾着袋)を購入して、
きれいにたたんで、くるくる巻いて収納するようにしました。
選んだスタッフバッグは、
ノースフェイスの“パーテックス スタッフバッグ2L”。
これだと約20×10cmにきれいに収まります。
この大きさだとモンベルのスペリオ ダウンパーカの収納と同じぐらいの大きさです。
デカロゴで「THE NORTH FECE」と主張が強めなので
ノースフェイスのダウンジャケットと勘違いされそう…。
このスタッフバッグの素材は、
パーテックスナイロン製なので、しなやかで丈夫!
また2Lの大きさがコンパクトで、ザックのパッキングにもちょうどよく
気に入っています。
たたみ方は、だいたいフードの幅より少し小さくなる
15~20cmぐらいの幅に折りたたんで、
くるくる巻いていって、最後はフード内に巻き込んで完成です。
このコンパクトさは、山に持っていくのに非常に助かります。
山でダウンが必要かどうかわからないときでも、
とりあえずザックに入れて持って行けるので
結果的にこの冬は、毎回ザックに入れて山に行きました。
サイズ感・フィット感・着心地・動きやすさレビュー
男性 身長:166cm 体重:58kgのぼくは、
普段はMサイズ着用が多いですが、今回TREK100はSサイズを購入しました。
また、“フード付き”と“フード無し”が展開されていますが、
悩んだ末、“フード付き”を選択しました。
サイズは、デカトロンはヨーロッパ規格になるので、
普段より1サイズ小さいサイズでちょうどいいかも。
ただ全体にタイトな細身の作りで、体のラインにフィットするので、
体格によっては通常通りのサイズでもいけますが、
“袖”は長めとなっているので、通常サイズだと
袖が長すぎることになるかもしれません。
これはデカトロンのジャケット全般に言えることのようですが、
『登山・トレッキング用として、腕の上げ下げ、曲げ伸ばしなどの動きで、
安易に手首が露出されないようにするため』に
あえて長めな袖の作りになっています。
袖口は筒状になっていますが、袖口から4cmの内側にゴムが
備え付けられているので、袖口から
冷気が入ることもありません。
フードは首回りから頭全体まで覆ってくれて、
えり周りも高く、ここもタイト目に作られているので、
風があっても、しっかり頭を防寒してくれます。
タイトではありますが、腕の上げ下げで、
ひっかかったり突っ張ったり感じるようなこともありません。
袖長なので腕を上げても袖から手首が出ることもありません。
ただダウン内側に、余分なスペースがあまりできないので、
アウターの上に着るには、ちょっとキツイ。
ベースレイヤー+ミドルレイヤー+アウターレイヤーの上に
TREK100を着てみましたが、着れないことはないけど
おすすめはできません。
着るなら、アウターレイヤーの下に着るほうが
動きやすく暖かいです。
気になった点・デメリット
ここまで、いいことづくめで案内してきましたが、
もちろん気になった点もあります。
●防水性は期待できない
まず、表面には撥水処理はされていますが、
ある程度以上の雨の中で着ると、
撥水しきれず水を吸ってしまって防寒性能は
ダダ下がりになります。
●真冬の厳冬期、高山では力不足
800フィルパワーで、高性能なダウンを使っていて
薄くても低山なら十分快適に着れますが、
真冬の2000m級以上の山だと役不足です。
公式ページにも“-5~5℃まで快適”とありますので、
‐5℃以下の厳しい環境にはこのダウン量では
寒さを防げないでしょう。
●高級感はない
価格は手の届きやすい10,000円ほどです。
モンクレールやナンガのような高級感はありません。
●タイトすぎる?
中肉中背のボクの身長・体重では、
ちょうどいいサイズ感でしたが、
少し太めの方や、マッチョな方には
着づらいかも…
サイズを上げても、今度は袖が長すぎる
ということになってしまうことが予想されます。
デメリットにあげましたが、
ボクは山のダウンに高級感を求めませんし、
自分の技量と行動範囲で、厳冬期の高山に行くようなこともありません。
10,000円で、山用の800フィルパワーのダウンが手に入る
このコスパは、間違いなく自分の山行スタイルに
合ったダウンに巡り合えたと考えています。
どんな人におすすめか
ダウンジャケットは、
「良い・悪い」ではなく合う・合わないが大切。
ここでは、
デカトロン TREK100が向いている人/向いていない人を正直に整理してみます。
✔ TREK100が向いている人
● 冬の低山で、休憩中の寒さに悩んでいる人
歩いているときは平気だけど、止まると寒い。
そんな人には、羽織るだけで体が落ち着くTREK100がちょうどいい。
● 初めて「山で使うダウン」を買う人
高すぎず、気を使いすぎなくていい。
失敗しにくい一枚として安心して選べます。
● ザックに入れて持ち歩く前提の人
軽くて、かさばらないので
「今日は持っていこうかな」と思える存在になります。
● ダウンは“休憩中だけ”使えればいい人
行動中は別の服で調整して、
止まったときだけしっかり暖まりたい人向けです。
✖ TREK100が向いていない人
● 真冬の厳しい寒さで長時間じっとする人
確かに高品質ではありますが、TREK100では風が強い稜線や、
厳冬期の本格的な山では、暖かさが足りないと感じることがあります。
● 行動中もずっとダウンを着たい人
動きやすさ重視の作りではないため、
歩き続ける用途にはあまり向きません。
● 完全な防水性を求める人
多少の小雨なら問題ありませんが、
雨の中で使う前提なら別の対策が必要です。
● 最高性能・最軽量を求める人
より軽さや暖かさを重視するなら、
価格帯の上のモデルを検討したほうが満足度は高いでしょう。
「今の悩み」に合っているかで選ぶ
TREK100は、
万能なダウンジャケットではありません。
でも、
- 冬の低山
- 休憩中の防寒
- お手頃価格
この条件に当てはまるなら、
とても満足度の高い一枚です。
「寒いけど、何を買えばいいか分からない」
そんな状態から一歩抜け出すための選択肢として、
TREK100は十分にアリだと思います。
まとめ|休憩用ダウンの選び方
失敗しないために押さえたい3つのポイント
「休憩用のダウンが大事なのは分かったけど、
結局どこを見て選べばいいの?」
そんな人のために、
冬の低山で使う“休憩用ダウン”の選び方をシンプルにまとめてみました。
① 暖かさは「ほどほど」でいい
休憩用ダウンというと、
「とにかく暖かいもの」を選びたくなります。
でも、冬の低山ではオーバースペックになりがちです。
・厚すぎると持ち運びが大変
・着るのが面倒になって使わなくなる
・暑くなりすぎてすぐ脱ぐことに
休憩中に「寒くない」「落ち着いていられる」
このくらいがちょうどいい。
TREK100は、必要な分だけ暖かいという点が、低山向きです。
② 軽くて、すぐ着られることがいちばん大事
休憩用ダウンは、「暖かいか」よりも
**「すぐ着られるか」**が重要です。
・ザックから出すのが面倒くさい
・かさばってザックから取り出しにくい
こうなると、結局使わなくなり、本末転倒です。
軽くて、コンパクトで、
「とりあえず羽織ろう」と思える。
TREK100は、持っていくのが苦にならないのが強みです。
③ 高すぎないこと=気軽に使えること
意外と大事で、ボクも最も重視するのが、価格。
高価なダウンだと、
・汚れが気になる
・岩やベンチに座るのをためらう
結果、「本当は寒いのに、着ない」という矛盾を起こすことも。
休憩用ダウンは、気兼ねなく使えてこそ意味があります。
TREK100の10,000円ほどの価格帯だと、
「山でガンガン使う」ことを前提にできる安心感があります。
ちょっと汚れたぐらいでは気になりませんし、
最悪、木に引っかけて破ってしまった、
となってもショックですが、立ち直れる価格帯です。
まとめ|迷ったら「軽さ・気軽さ・価格」で選ぶ
休憩用ダウン選びで大切なのは、
- ほどよい暖かさ
- 軽くて持ち運びやすい
- 気軽に使える価格
この3つ。
その条件に、バランスよく当てはまるのが
今回のデカトロンのTREK100です。
「寒いのを我慢する登山」から、
「ちゃんと休める登山」へ。
休憩用ダウンを見直すだけで、
山の楽しさは、確実に変わります。
ありがとうございました。


















































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